退職代行サービスは、新入社員をダメにするサービスなのではないか

仕事の環境

4月、5月は年度初めの大切な時期である。新社会人にとっては、ドキドキする時期でもあり、不安も感じる憂鬱な季節ともなり得る。

振り返ってみれば、自分にもその体験はある。はるか昔ではあるが、日々緊張していたこ記憶が蘇る。当時、緊張のあまり、五感の全てが鈍くなって、水中の中を彷徨っているような感覚だった。誰かから話しかけられても、話が聞き取りにくく、また回答をするにもタイミングがずれてしまっていた。気の利いた会話ができず、自信喪失の日々だった気もする。

今から考えると、そんなのどうでもよいのに、周囲の同僚との距離感が本当に気になって、嫌われているのだろうか、などと心配してばかりで仕事が手に付かなかった。

今時の新入社員もそうなのだろうか?今時の若者は、人前でスムーズに話をするし、おもしろ話のような冗談も器用にはなす。例え、目上の人であっても好青年を演じられる?気もする。

一方で、彼らの実際の心の中や、感情は、なかなか理解できない。人間とはそういうものだから仕方がないが。今時の流行は、退職代行サービスである。ある日突然、新入社員は会社に来なくなり、退職代行サービスの担当者から退職の旨の連絡が来るといったもののようである。

多くの人は驚くであろう。入社してまもない時期なので、そりゃ違和感はあって当然であり、それに慣れていくタイミングである。新入社員自身も多少嫌なこともあろうが、ひとまず慣れるまで頑張るのがこの時期だと思う。

私が新入社員だった当時、もしこの退職代行サービスなるモノがあったらならば、利用しただろうか?もしこうしたサービスがあることを知った上で、入社したとしたら、私自身もすぐに会社を辞めてしまったのだろうか?

確かに嫌なこと、違和感のあることは、特に入社まもない4月、5月に多々ある。それをスルーする、我慢するなどして今がある。退職代行サービスのような手段が全く念頭になかった当時は、スルーする、我慢するしか手段はなく、それ以外考えられなかった。

スルーして、我慢して、その後、社会とはこんなモノだという理解に達した。それが当たり前であったのであり、実は新入社員として自分自身が過度に反応してしまっていただけなのである。その時期を乗り越えることが大切なのだということを今なら考えられる。

その意味では、今時の退職代行サービスは、若者の救済措置のように世間では紹介されているが、実のとこと逆なのではないか。本来ならば自力で踏みとどまるべき入社直後のタイミングで、このサービスが提示されることで、踏ん張る機会、乗り切る機会が奪われているのではないだろうか。

実のところ、この退職代行サービスは、新人をダメにするサービスなのではないだろうか。

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました