管理職だから見えるもの、現場のいち担当では思い至らない部分

仕事の環境

コンサルの現場では、一人一人の担当は、自身の専門性を高め、自分自身の成果を獲得することが推奨される。チームプレイはないわけではない。しかし、自分の専門分野、自分の特技を持った一人一人がプロフェッショナルとして協同することとして、チームプレイの実践が求められるのである。

つまり、自分自身に他者と比較したうえでの強みがないと、一人前として扱ってもらえない。ましてやチームプレイもできないのである。

他方、コンサル会社では、個人個人の我が強くなる傾向にある。確かに、その分野では社内外に右に出る者はいない、そんな人材がゴロゴロといるようになる。管理職だからと言って、上から指示を出して、それに単純に服従するような人材ではない。

では、管理職は不要かといわれると、まったくそうではなく、そうした我の強い個性派集団を組織人として方向づけていくことを日々実践することが求められるのが管理職である。

さらに、管理職だからこそ見えてくるものがある。それぞれのメンバーの個性や、行動パターン。大切にしている思想や価値観。さらには、どれだけ個人個人が周囲に気を配り、一歩先まで想像して行動しているか。

管理職として、各担当が組織人として求められる細かい事務手続きやルール対応などの接し方を見ていると、将来のその担当の伸びしろが見えてくる。

文句ばかり言って勤務時間申請を後回しにする担当、手続きが面倒だからと言って上席や同僚に手続きを丸投げする担当、自分の興味のないものには全く手を付けず逃げ回る担当など、他者との関係を時間軸を持って設計できる人材かどうかが分かる。

極論を言えば、手続きは手続きとして設定されているが故に、だれでもやればできるものである。その手続きを、どのように捉えて日々行動するかで、担当者としての昇進や昇格の可能性が大きく変わってくる。

見方を変えれば、手続きをしっかりと、しかも戦略的に実施できる担当は、管理職から見ればその行動を予見しやすい担当者であるともいえる。放っておいても超えてはいけない線を越えないという安心感がある。また、各種手続きを先回りして実施するので、管理職としては、担当者の次の一手を見通すことができ、適切なサポートも自然と行える。

そうなのである。担当者のレベルでは、手続きという会社のルールを使って、上司や上席などの管理職に自分自身の活動をPRするとともに、時間軸の先を見通した予見性を高めて、うまく自分自身の取組を阻害されないような布石を置くことがポイントとなるのである。

これができる担当者は、先を見る目がある。これは単にルールを厳格に守るという枠を超えて、うまくルールや手続きを活用しているということであり、それを意識している担当者かどうかは、管理職には手に取るように見えるのである。

単純で、だれがやってもできるといわれる手続きであっても、馬鹿にしてはいけない。やらなくてはいけないが、あまり価値を見出せないと思われがちな手続きを、いかに自分自身にとって有意義なものに変えていけるか。それが理解できている担当者は賢いのである。

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