コンサル現場で繰り広げられる上司と部下の1on1の真の意義は、部下側にあるのではなく管理者側にある

仕事の環境

1on1が推奨されて久しい。

世の中の企業では、管理職に対して1on1を推奨している。その心は、部下の一人一人に対して丁寧な対応をする必要があるとの考えであり、短時間でも面談をして部下のフォロー、ケアしていくことが求められている。

スタートアップ企業であっても、大手企業であっても、すべからく管理職と言われる人々には、1on1を主導していくべしと言われる世の中になった。

プレイイングマネジャーであっても、自分の業務をこなしつつ、部下全員を高頻度で面談するとはかなりの労力のかかる、時間のかかる、また神経をすり減らす役回りで大変だ。

多くの管理職が同じように負担を感じていることであろう。

自分もかつては、そうであった。「面倒だな」と素直に思った。そこまで高頻度にやらなくても、業務を遂行する際に常に一人一人と話はしている。だからこそ、わざわざ時間をとって面談という形式でやらなくても・・・そう思っていた。

しかし、実のところ、1on1は、部下のために実施するもの、部下に尽くすための取り組みとしてとらえていたが、実は管理職のための施策であることに気づいたのである。

人が集まれば、様々な考え方、意見、反感を持った人々の集団になり、多くの場面で仲違いや、不満が生まれる。そうした人々を束ね、方向づけるためには、ある意味での政治力が必要となる。

管理職の役割は、本当に多様な部下の勝手を統制していくことに他ならない。理詰めで通じる相手もいれば、全く理詰めでは無理な場面もかなりの割合ある。部下が感情的に寝転がってしまうと何もできないといった管理職も多いであろう。

昨今、管理職といえども、強権を発動して、会社命令として行動を強制することはほぼ難しくなっている。そんな対応をしてしまうと、すぐにパワハラとして管理職は訴えられてしまう。そんな世の中だ。

その中で、多様な部下を誘っていくためには、論理的な説得や説明、方向づけだけでは歯が立たない。また一方的に部下の要望を聞いているだけでは全く収集がつかない。だからこそ、政治的な力、言い換えればポリティカルなスキルが必要である。1on1はそのためのツールになると気づいたのだ。

本当に高頻度で、短時間でも、業務という枠組みとは別に、時間を共有することで、関係性が生まれる。その関係性、相手に駄々をこねにくくする関係性を構築することが重要であり、それを構築できれば、部下の行動を一定の範囲に収めることができる。

部下本人にも無茶な要望や駄々をこねているという実感はある。そうした物言いいは、実のところ、あまりよく知らない上司に対して言いやすいものである。逆に、一定程度、短になった人には、そんなことが言えないというのが人間というものなのだ。

その意味で、普段から、高頻度な1on1を通じて部下との関係性を密にしておけば、部下の方向付けがかなり容易になる。

振り返ってみると、高頻度の1on1にかかる手間の総和と、今までのように駄々をこねる部下を宥めすかすコストの総和を比べると、前者の方が大きくコストも感情面のすり減りも減少することに気づいたのだ。

1on1は部下のためにあらず。管理職のためにあるものだ。それが気づきなのである。

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