顧客のため?それとも自分のため?若手コンサルに問う「大義」の真価

仕事の環境

「顧客のため」――この言葉は、ビジネスの世界において、まるで聖典のように掲げられる大義です。特にコンサルティング業界では、この旗印のもと、精緻なロジックを組み立て、顧客にとって最善の解を導き出すことが求められます。しかし、本当にその「大義」が、個々の日々の行動にまで浸透しているでしょうか?

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ロジックの罠に陥る若手たち

賢いコンサルほど、この「顧客のため」という大義を巧みに使いこなします。時にそれは、自身の都合の良いように解釈され、組織の一員としての義務を逸脱する言い訳と化してしまうことがあります。特に若手コンサルの中には、「顧客対応に時間を割くべきだから」という名のもとに、社内ミーティングへの参加を軽視したり、組織の共通認識を培うための活動から距離を置いたりする傾向が見受けられます。彼らの主張はロジックの上では一見正しく聞こえますが、その裏には「面白くないから」「時間の無駄だから」といった本音が透けて見えることも少なくありません。

組織の一員としての「義務」を見つめ直す

コンサルタントである前に、彼らはまず所属する企業の一員です。企業という基盤があって初めて、顧客へのサービス提供が成り立ちます。社内での情報共有や戦略策定のためのミーティングは、個々のコンサルタントが顧客に提供できる価値を高めるための重要なプロセスです。これらの活動を「顧客のための時間が削られる」と安易に切り捨てることは、長期的には組織全体のパフォーマンス、ひいては顧客への提供価値を損なうことになりかねません。

大義と行動の乖離が招く不信感

「顧客のため」と主張しながら、その実、自分の不都合をロジックで回避し、本心では顧客に向き合っていないように見える。このような行動は、最終的に誰の信頼も得られません。顧客は、単なる論理的なアドバイスだけでなく、誠実さや献身性、そして何よりも「本当に自分たちのことを考えてくれているか」という感情的な側面を重視します。建前でいくら飾っても、行動が伴わなければ、その大義は空虚なものとなり、誰もそのコンサルタントに心からのアドバイスを求めようとはしないでしょう。

顧客の信頼を勝ち取るために

若手コンサルタントが本当に顧客に貢献し、長期的な信頼関係を築くためには、まず自身の行動が「顧客のため」という大義と一致しているかを問い直す必要があります。組織の一員としての責任を果たし、社内外の連携を通じて総合的な価値を提供すること。そして何よりも、ロジックを超えた「誠実さ」と「情熱」が、顧客の心を動かし、真のパートナーシップを築く鍵となるのではないでしょうか。


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