コンサル入社1年目、なぜかモヤモヤしてる君へ

仕事の環境

「コンサルタントとして、華々しいキャリアを築くぞ!」

そう意気込んで入社した新卒コンサル社員の皆さん、入社して数ヶ月が経ち、すでに心の中でモヤモヤを感じていませんか?

「本当にこの仕事がやりたいことなのか?」「もっと他に、自分の能力を活かせる仕事があるのではないか?」

就職活動中、あれほど憧れ、熱望したコンサルという職業。しかし、いざ足を踏み入れてみると、理想と現実のギャップに戸惑い、早くも転職市場に目を向け始める方も少なくありません。外資系コンサルファームの「人狩り」と呼ばれる積極的な採用活動に引き込まれ、焦りを感じている人もいるかもしれません。

先日、とある若手社員からこんな相談を受けました。

「先輩が作る議事録、なんか全然面白くなくて…。僕がもっとクリエイティブな議事録を作れば、みんな喜んでくれるかなと思って、図やイラストをたくさん入れたら、怒られちゃいました。」

彼はきっと、良い仕事がしたいという熱意から、一風変わった議事録を作ろうとしたのでしょう。しかし、コンサルティングファームに求められるのは、見た目の面白さやクリエイティビティではありません。「正確性」「論理」という、地味だけど最も重要な要素なのです。

ロディア (RHODIA) ブロックメモ
会議中の走り書き、電話メモ、アイデア出しなど、瞬時に思考を書き留めるのに最適です。切り離したメモをプロジェクトごとに分けて保管することで、情報の整理にも役立ちます。


新卒コンサル社員が陥りがちな「危険な罠」

新卒社員の皆さんが直面しているモヤモヤは、実はキャリアの「罠」かもしれません。

この罠は、主に2つの思考から生まれます。

1. 「自分はもっと大きな仕事をするためにコンサルに来た」というプライド

「コンサルタントは企業の経営課題を解決するプロフェッショナルだ!」

たしかに、それは間違いありません。しかし、新卒社員がいきなり経営層と対峙し、大きなインパクトを与える仕事ができるわけではありません。最初は地道な作業や、基礎力の積み重ねが不可欠です。しかし、「こんな単純作業のために、高い能力を持つ自分がいるのか?」と不満を抱いてしまうケースは少なくありません。

「僕、東大卒なんですよ?なぜ、こんなExcelのセルの色を変えるだけの仕事をする必要があるんですか?」

これも、実際に耳にした若手社員の言葉です。彼の気持ちは痛いほど分かります。せっかく高い能力を持っているのに、単調な作業にモチベーションが上がらない。しかし、その「単調な作業」こそが、将来的に大きな仕事を成し遂げるための土台なのです。地味な作業にこそ、仕事のプロフェッショナルとしてのこだわりが宿ります。

2. 「早く次に行かなければ」という焦り

SNSやメディアでは、「若くして成功した」「キャリアチェンジで年収アップ」といった華やかな情報があふれています。それを見ると、「自分も早く次のステップに進まなければ」という焦りを感じてしまうかもしれません。しかし、まだ何も積み上げていない状態で転職を繰り返しても、本当の意味での成長は望めません。

「入社してまだ半年ですが、もう3社からオファーが来てるんです。僕、もしかしてすごい人材なんですかね?」

こう言って得意げな顔をする若手もいます。

たしかに、転職市場で「コンサルファームの新卒」という肩書きは、ある種のブランド力を持っています。しかし、それはあくまで「伸びしろ」への期待値であり、現時点での実力ではありません。その「伸びしろ」を実力に変えるための努力を怠れば、すぐにメッキは剥がれてしまいます。

ロイヒトトゥルム (LEUCHTTURM1917) ノート
複数のプロジェクトの情報を1冊のノートにまとめたい場合に最適です。インデックス機能を使うことで、後から必要な情報を素早く見つけ出すことができます。


「習うより慣れよ」の精神で、まずは行動を

基礎力を効率的に身につける方法はありません。

「少ない量でも効率的に…」なんて言われることもありますが、その「効率的にやるための力」がまだ備わっていないのが新卒社員です。まずは量をこなすこと。ひたすらインプットとアウトプットを繰り返すこと。

新卒社員の皆さん、今やるべきことは、次の職場を探すことではありません。今いる場所で、誰にも奪われない普遍的なスキルを磨くことです。

「議事録作成」という、一見地味な仕事の中にこそ、あなたの未来のキャリアを支える「基礎力」を身につけるチャンスが隠されているのです。


具体的なアクションプラン:議事録を武器にするための3つのステップ

では、議事録作成を単なる「タスク」ではなく、「成長の武器」に変えるための具体的なアクションプランをご紹介しましょう。

ステップ1:先輩の議事録を徹底的に「模写」する
自分の書いた議事録を、先輩が修正したバージョンと比べてみてください。何がどう変わっているか、一言一句見逃さず分析するのです。

  • 削除された言葉は?
  • 追加された言葉は?
  • 文章の構成はどのように変わったか?
  • なぜそのように修正されたのか?
    ただ「直された」と受け流すのではなく、「なぜ?」という問いを常に持ち、先輩の思考プロセスを盗むつもりで読み込んでください。

ステップ2:自分の脳内を「議事録」として可視化する
会議中、ただ話を聞いているだけではいけません。話された内容を、その場で自分なりに整理し、議事録の構成を組み立てる練習をしてください。
例えば、「この話は『課題』の章に入れよう」「これは『ネクストアクション』に記載しよう」といったように、頭の中で情報をカテゴリ分けしながらメモを取るのです。これを繰り返すことで、自然と情報の整理能力が鍛えられます。

ステップ3:先輩にフィードバックを求め続ける
作成した議事録を提出する際、ただ渡すだけでなく、必ずフィードバックを求めてください。
「この議事録で、どこが一番まずかったですか?」
「先輩なら、この部分をどう表現しますか?」
といった具体的な質問をすることで、より質の高いアドバイスを得ることができます。フィードバックは、成長するための最大のチャンスです。


成長の証:議事録が「読める」ようになるということ

こうした地道な努力を続けると、ある日、驚くほど成長している自分に気づくはずです。

ある若手社員は、議事録作成に真剣に取り組んだ結果、1年後にはこんな変化が起きました。

「先輩、あのクライアントからのメール、どう読んでも『結論』が書かれてないように思えるんですけど…」

先輩は、彼の成長に驚きました。以前は、指示書の意図すら汲み取れなかった彼が、今ではクライアントの文章の「不備」にまで気づけるようになったのです。

これは、議事録作成を通じて「論理的な文章」に触れ続けた結果、彼自身の「読む力」が格段に向上した証拠です。

「読む力」が向上すると、周囲のビジネス文書が今までとは全く違う景色に見えてきます。

  • 曖昧な表現
  • 隠された意図
  • 論理の飛躍

これらが明確にわかるようになり、今まで見過ごしていた「仕事のヒント」や「改善点」を発見できるようになります。

新卒社員の皆さん、今、目の前の地味な仕事から逃げないでください。そこにこそ、あなたのキャリアを何倍にも加速させる「基礎力」を身につける鍵が隠されています。

まずは、今日から、目の前の議事録に全力を注いでみませんか?それが、あなたのコンサルタントとしてのキャリアの第一歩となるはずです。

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