ビジネスの力:課題設定、問題設定の力を高める努力をしたい

おすすめ読書

佐藤郁哉氏の書籍「リサーチ・クエスチョンとは何か?」ちくま新書
<書籍紹介>一言でこの書籍を読んで役立ったことは、物事の検討をする際に、問題設定をしっかりしておくために、リサーチ・クエスチョンを正しく行うということである。

考えている人間が強い、魅力的である、賢いなどと言われる。その言葉通りだと思うが、考えるという行動はどのようなものなのだろうか?

単に考えるという行為だけ見てみれば、どんな人もそこそこ考えている。考えている絶対量は、単純に積算するとそれほど変わらないかもしれない。

ただ、ここで注目したいことは、考えるに足る問題をどれくらい考えることができているのか?ということである。前提として、考える行為自体はどのような人も一定以上、それほど大差なく実施していると仮定する。

注目すべきところは、人々が考えるという行為を投じる対象の選択に、人による良し悪しが出てきているとした場合、それが大きな差を生むのではないかという考え方だ。

同じ時間を過ごしたのに、同じ考えるという行為をしたのに結果に大きな差が出てくるなはなぜか?

上記の点を考える。なぜ人に差が出てくるのか?そもそも地頭が良い人、悪い人がいて、その違いでは?という意見が体勢を占める。

確かにそれも理由としてあり得る。しかし、それで話を終わりにしたくはない。確かにその要素はあるがどれだけで説明し切るには悔しすぎるから。それ以外に実は重要な要因があるのではないか?

それが今回の記事のテーマでもある。その候補として、仮説として、問題設定の違いがあるのではないかということである。

もう一度言うが、どんな人も、考えると言う活動自体にはそれほど大きな違いはないという仮説を置く。何も考えていない人などいない。そこは全ての人をリスペクトしていっている。ただし、違いは、適切な対象について考えることができているか?無駄なことしか考えていない、もしくは意味のないことしか考えていない、といった状況に陥っているのではないか?ということである。

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何を考える対象としているかは実はよくわからない。他人の頭の中は覗けないしね

賢いと言われる人々の日々の、日常のワンシーンで考えている物事の対象、言い換えると設定された問題はどのようなものか。これはかなり気になる点である。同じ空間で同じ時間を過ごしていても、人それぞれ考えていることは絶対に違う。同じ時もあるが…。

他者が今、この同じ空間の中で、時間の中で、何考えているか知る由もない。その違いが、日々の違いが積もり積もって、大きな格差につながるのである。

では、賢いと言われる人に聞いてたら良いじゃないかと思うかもしれない。しかし、質問をして見たところで、なかなかそれを把握できない。賢い人自身も何か特別なことをしているといった意識はないだろう。普通に他者と同じように考えていると思っているだけだろうから。

誰もこのような、問題設定の違いが、人それぞれ違うという発想で他者を見ていないだろうし…。

より意味のある、意義のある問題設定を瞬間瞬間に実施するにはどうしたら良いか?

問題設定をする行為は、ロジカルに実施できるものでもある一方で、何が意味のあることなのか、意義のあることなのか、その観点からすれば、ロジカルであるとは言い切れない。

価値あることって何?ということである。今この瞬間の目の付け所、今後多くの人がすごいと考えるような視点ってどうやって創出するのだろうか。だからこそ、目の付け所と言われるのであるが、これは経験値やアートの世界なのかもしれない。まさに偶然のことなのかもしれない。

単純にサイコロのような偶然とも言えないであろう。世の中には目の付け所が良いと言われる人、センスが良いと言われる人が確実に存在する。それらの人は、単純にサイコロの目を振って出たような確率で物事を考える対象を選んで要るわけではない。

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深く考えることも大切であるが、何を考えるか、どんなクエスチョンを立てるのか?それを鍛える一年でありたい

とにかく目の付け所、問題をどのように設定するのか、それを鍛えたい。しかし、どのような方法があり得るのか?これってもしかして、アイデア創出法のことかしら?と気づく。

いろんなアイデア創出方法が過去から提示されている。しかし、今考えるべきこととも違うような気もする。

アイデアなのか?いや何に興味を持つか、どんな切り口で世界を見るのか、そんなことかもしれない。それは、単に個人の個性なのかもしれない。では、個性はどのように伸ばすのか?もはやDNAで決まってしまって、不動なものなのか?

アイデア創出というと少し弱い気もするし、問題設定の方法というと堅苦しい。何か良い言葉をつけて、その力、その方法論を考えて実践する一年にしたいが、下手に既存の方法論に寄せていくと、ちょっと違うような気がする。今、自分が問題提起したい内容を適切に表現んする言葉がないのかもしれない。

おすすめの書籍、リサーチ・クエスチョンとは何か?

佐藤郁哉氏の書籍「リサーチ・クエスチョンとは何か?」ちくま新書を読んだ。一言でこの書籍を読んで役立ったことは、物事の検討をする際に、問題設定をしっかりしておくために、リサーチ・クエスチョンを正しく行うということである。

社会科学系の研究、論文執筆に関わる事例を題材に、問題設定の重要さを説明する同書。ただし、論文を書くだけではなく、広く物事を考え、自分自身の理解を深めるための思考方法として、参考になる言及がたくさんあった。

結局のところ、正しい、もしくは適切なリサーチ・クエスチョンを定められないと、正しい検討はできない。正しい、理解には至らないということだ。

往々にして、社会の中で忙しく働いていると、ステレオタイプ的な課題設定で調査や作業が進められる。それで成果がイマイチ、いつもの通りで成果をしっかりと得ているか不明なまま物事が進んでいく。それではなく、しっかりと期待される効果や成果を得るためには、正しい問題設定がなければ、その後の作業は実は非効率なのである。

こうしたことが改めて理解できる、思い知るというのがこの本を読んで参考になる点である。

世の中で、天才と言われる人は、このあたりがしっかりできている人なのだろう。別に、東京大学などの有名大学を卒業しているとか関係はない。高卒でも中卒でも、この問題設定の巧みな人はいる。そうした人はやはり成果を出す人なのだと思う。

この問題設定の力量は、学校では教えてくれない。大学の研究室であっても、研究者を志望する学生であっても教えてもらえるものではない。だってそうした教育はなされていないから。

それでもできる人はできてしまう。単に地頭がいいというのとも異なる。別にスペックが良くなくても、しっかりとした問題設定ができ、地道に着実に成果を出すタイプも確実にいる。器用でもないし、頭の回転が速いわけではないのに、精度の高い問題設定をして、しっかりと着実に成果を残す、大器晩成型の人がそれにあたるであろう。

いずれにしても、この佐藤郁哉氏のリサーチク・エスチョンとは何か?ちくま新書を読んで、同じよう理解をする人はどれくらいいるのだろうか?この本を、単なる研究や論文執筆のノウハウ本として理解してしまう人は多いのかもしれない。

その主張の背後にある、人間が物事を適切に考え、しっかりとした問題設定をすることが効果的な活動につながる源泉であることを、あの手この手で読み手に伝えようとしているという理解ができる本である。

一読した後に、可能であれば、手元にとっておいて、時間が経ったら改めて読み直したい本である。こうした大切なことは、普段の騒々しい日々を過ごす中で忘れがちになる。日々、自分の思考の際にこうしたポリシーが浸透していれば良いが、人間なかなかそれを忘れがちになってしまう。凡人であるので仕方がないが。

その意味で、定期的に読み直したい本としておすすめするのである。コンサルタントやシンクタンカーなど、問題解決に取り組む職種の人はぜひ読んで理解を深めてほしい。単なるツールやノウハウとして理解しようとはしないように。

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