2025年夏、若者の「いま」を映す5つの潮流：懐古と革新のあいだで

今週も、若者の間で多様なカルチャーや価値観が交差する動きが見られました。Z世代やミレニアル世代を中心に、「古いは新しい」「早さと感性のバランス」「海外と日常の融合」といったキーワードが、ファッション・食・エンタメ・教育といった分野に表れ始めています。

本記事では、直近1週間の若者トレンドに関するニュースをもとに、いま注目すべき5つの潮流を整理しました。伝統文化の再評価やアジア圏カルチャーの浸透、平成レトロの再構築から、“食べる体験”の進化や街づくりへの影響まで、多面的な視点で若者の今と次を読み解きます。

毎週変化するトレンドの兆しを丁寧に観察し、時代の空気を読み取ることは、商品開発やマーケティングのヒントを得るうえでも重要です。社会の未来をかたちづくる若者たちの“いま”に触れるために、ぜひ本記事をご活用ください。

1：伝統文化の再評価とリブランディング志向の高まり

歌舞伎という一見古典的な題材を扱った映画『国宝』が若者に人気を博していることは、伝統文化への関心が単なる“懐古趣味”にとどまらず、“新しい体験”として再解釈されている表れといえます。約3時間という長尺でありながら、若い層が劇場へ足を運ぶという現象は、従来の「長いものは観ない」という傾向からの変化を示唆しています。演出や脚本、俳優の魅力といった“現代的フック”があってこそ、伝統と若者の距離は縮まる——この構図は今後の文化系コンテンツの作り方にも大きく影響を与えそうです。

参考ニュース

「映画『国宝』が”歌舞伎”題材でも若者に人気の訳」 https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/toyokeizai/life/toyokeizai-886438

2：食体験の進化——味覚から五感へ

Z世代を中心に人気が広がっている「マーラータン」は、もはや“麺料理”というカテゴリだけに収まらない存在になりつつあります。数種類のスパイスの刺激だけでなく、香りや彩り、選ぶ楽しさなど、視覚・嗅覚・選択体験を巻き込んだ“エンタメ化された食体験”がブームの核心です。さらに、体験重視のマーラータン専門店が次々と展開されており、味わうだけでなく“映える”“シェアしたくなる”演出が求められています。食が「情報発信のコンテンツ」になっているともいえるでしょう。

参考ニュース

「若者中心にブームの”マーラータン”が驚きの進化！」 https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/suttv/region/suttv-32623
「『麻辣湯』20店舗以上展開！人気店に、続々出店」 https://news.goo.ne.jp/iw/269534/

「ひるおび」で紹介！ SPANION 麻辣湯の素 70g 麻辣湯マーラータン火鍋鍋の素麻辣醤四川省出身ヤンチャン監修
【おうちで簡単に麻辣湯】用意するのは、お好きな具材とヤンチャン麻辣湯だけ！具材と本商品を入れて煮込めば、今人気の麻辣湯をご家庭で簡単に楽しめます。

3：平成カルチャー・Y2K回帰による“懐かしさ”マーケティングの有効性

大丸梅田店で開催された「平成ときめき展」が盛況だったことからも、2000年代前後の平成レトロ文化が今の若者（20～30代）に刺さっていることが分かります。ローライズデニムやポケベル、ガラケーといった当時のカルチャーは、Z世代にとって“実体験のないレトロ”として新鮮な魅力を放っています。今後、平成やY2Kの要素を現代風にアップデートした商品やサービスは、共感と話題性を両立する強力なマーケティング資源となりそうです。

参考ニュース

「平成レトロなアイテム集結若者に人気、大丸梅田店で」 https://news.yahoo.co.jp/articles/aaea26fd9ae621facb059f0909c4bfbae31c9a76
「今流行りの『Y2Kファッション』とは？」 https://news.yahoo.co.jp/articles/27595ded25d1dd1a0847f4d8554a0b84132332b4

たまごっちコネクショントゥルーフレンズ – ブルーグラフィティとピンクのグラフィティ。
ノスタルジックな2000年代のデバイスから改良されたプログラミングで、Tamagotchi Connectionが2つのトレンディなグラフィティシェルで復活しました。

4：「タイパ重視」から見える新たな街と消費の関係性

仙台駅前など都市中心部への若者の集中が進んでいる背景には、「タイパ（タイムパフォーマンス）」重視という価値観の広がりがあります。移動効率や情報効率、購入体験のスムーズさが重視される傾向が強まっており、商業施設や店舗は“時間を奪わない設計”が求められています。商店街など従来型の街づくりは、若者の選択肢に入るためにレイアウトや購買導線の工夫が今後ますます重要になっていくでしょう。

参考ニュース

「若者『タイパ』重視アンケートで判明仙台駅前に若者の人気集中」 https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/tbcsendai/region/tbcsendai-1997547

5：韓国・中華圏カルチャーの浸透と「多国籍ローカル」化

マーラータン、韓国コンビニ、ドバイチョコ、地球グミ——これらのキーワードに共通するのは「海外カルチャーを日常体験の中に取り込む柔軟さ」です。日本国内でも、若者の間では“異国感”よりも“ローカルの日常”として海外文化が馴染みつつあります。韓国語学習の人気や韓国コンテンツ消費の広がりなどからも見られるように、多国籍コンテンツを通じた価値観のミックスが、ファッション・食・教育まで及んでいるのが特徴です。

参考ニュース